2010年度版、アップしました。(2011年1月15日)


by lunaluni

レオ・選 2007年度

 ◎ 「風の影 上・下」 カルロス・ルイス・サフォン著(集英社文庫)

  「945年のバルセロナから始まった物語は、二つの世代が二重螺旋になって進む、「ダニエル」の1945から1955と、「フリアン」の1920年代が、交差しながら重なっていく。 登場人物が皆存在感があり力強いです。 謎の解明とダニエルの成長が同時進行で、そのシンクロに、はらはらしますよ 思わぬ真実に驚きと涙だった。」

 ◎ 「発明マニア」 米原万里著(毎日新聞社)

「毎日サンデー誌上で2003年から連載され、2006年の5月の亡くなるまでのコラム。
 痛烈な批判はあいかわらずで、その上に「米原流解決案」が書いてある。「耐震構造計算書偽造」マンションに、関係者が住め、もちろん「許可」した役人もね。
 笑えるし、なるほどって思うものや、それは無理やろ!てのも、盛りだくさんです。
 これが「絶筆」だったのが、もったいない、まだまだ才能がたっぷり有ったよ。 イラストも本人、上手いのかヘタなのか、微妙な絵も良い。」 

  ◎ 「忘却の船に流れは光」 田中啓文著(早川書房) 

「世界(デパツア)は壁に囲まれ5階層になっている閉鎖社会で、各階層に住む人々も、生まれついての形態で八位階に別れている。「聖職者(すきのおいや)」「雌雄者(いざなぎいざなみ)」「修学者(が りべん)」「警防者(さくらだもん)」「保育者(めのと)」「耕作者(はらきもの)」「普遍者(ありきたり)」・・・。
 社会は疲弊し、不満が充満し、あちこちで「悪魔崇拝」おきている。
 聖職者ブルーは、悪魔崇拝集会の摘発に行き、ヘーゲル(修学者)マリア(保 育者)に会い、この世界の疑問を探って行く。
 残忍・血みどろ・糞便のシーンも出てくるが、社会が崩壊し真実があらわになって来る。「SF的黙示録」って解説に書いてあった、そうか「黙示録」とはこれか、最後は驚きでした。」

 ◎ 「精霊の守り人」 上橋菜穂子著(新潮文庫)

 「主人公は大人の女用心棒「バルサ」、「新ヨゴ皇国」を舞台に物語が広がります。
 川に落ちた第二皇子を助けた事から、神話と異世界と現世の争いに翻弄される、設定も人物も、中年女性(私ね)の心にバッチリ刺さりました。
 初版は1996年だった、こんな物語が産まれていたんだね、まだまだ、物語は始まったばかり、嬉しい驚きだ。」

 ◎ 「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」 鴨志田穣著(スターツ出版) 

「カモちゃんの「アル中」治療記。
 「食道静脈瘤破裂」をくり返し、その都度「大量吐血」緊急入院、 救急隊員や医師に「また、あんたか」と言われ、 どれだけ「禁酒」を言われても飲んでしまう。「精神病院」の「アルコール依存症病棟」に入院し、治療が始まる。
 カモちゃんの「飲み方」がスゴイです、身体がボロボロなのを分かっているの に飲む。
 入院患者の「体験発表」も、カモちゃんの体験も、それを人前で言うことが、「断酒」に繋がるんだろう。
 ちょこっと「西原」が出てくるが、カモちゃんを愛していたんだな、3月20日に逝かれてしまった、寂しい。」
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by lunaluni | 2008-01-09 02:22