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2010年度版、アップしました。(2011年1月15日)


by lunaluni

マツモト・選 2002年度

「本格小説」水村美苗

そりゃさすがに忘れないわ、12月の末に読んだんだもん。
内容は一見ベタな和製『嵐が丘』で、フジの昼の帯ドラマっぽいけど、ひねくれた作者のおかげで、入れ子小説みたいで一粒で二度美味しかった。
みんないろんな読み方をするんだろうが、私には下巻はまんま<冨美子さんの片想い小説>だった。堪能した。


「非道、行ずべからず 」松井今朝子

役者の世界はイヤラシイ。
市井では許されないことが、「芸能界」では罷り通ると思っちゃう、その不気味さと勘違いぶりがこの小説の魅力だと思いました。

「ファイティング寿限無 」立川談四楼

こういうのにコロッとマイっちゃう自分は
まだまだ心が汚れきっていないことよ、と思った本。
ボクシングシーン、いいです。

「イン・ザ・プール 」奥田英朗

えーえー、どうせ私も伊良部一郎にぞっこんですよ。
月並みなことしか書けなくてごめんな。

「都立水商 」室積光

私の周りで評判悪いの、これ。
成功者とされるのはみんな水商売以外の道だなんて
水商売をイチバン差別してんのは作者じゃん、とか
まんま、金八でやんの、とか
みんなの言うことはもっともなの。
でも、私は読んでて楽しかったの。
現実をデフォルメしたり、ちょっとズラしておとぎ話化して
自分勝手で自分好みのお気楽な物語を創作する感じって好きなの。
予定調和でも、あさはかでも、
アタマ良すぎない作者がこれだけ見え見えに書くならいいじゃん、
と思った。


…翻訳モンがないや。

小説以外で、印象に残ったのは、橋本治の『わからないという方法』や中島義道の『人を<嫌う>ということ』や小谷野敦の『軟弱者の言い分』などでした。
↑偏ってんなーノンフィクション分野の自分の趣味。
by lunaluni | 2007-12-21 22:39