2010年度版、アップしました。(2011年1月15日)


by lunaluni

マツモト選・2010年度

☆『床屋さんへちょっと』山本幸久 著

連作短編集・・・ですが、1冊の長編(中編かな)小説の感覚
ですね。
とにかく、逆時系列という構成がとても効いています。
しょっぱなではうだつのあがらない「おじいちゃん」にしか映
らなかった主人公が、読み進むほどに魅力を増してきて、最後
には泣けてくるほどかっこいい。
<このさきなにが起こるかわからない。その不安に打ち勝つた
めにはいまをがんばるしかない。>という聞きようによっては
陳腐なセリフも、この主人公だから、そして逆時系列だから、
光り輝くキーワードになっています。
2010年の初頭に読みましたが、いまだに薄れません。
それって希有だ。


☆『チャイルド44』(上下)トム・ロブ・スミス 著

これも2月ぐらいに読んだのですが、強く印象に残っています

圧制下の旧ソ連の地獄のような飢餓の描写が物凄い緊張感でし
た。
イチバンの驚きは、29才がこれを書いたってことかも。
続編も面白かったですが、やはりこっちが断然印象的。


☆『小さいおうち』 中島京子 著

ここ数年、個人的には一推しの作家でしたが、ついにこれで直
木賞を獲得しました。
賞は別として、これは傑作だと思います。
面白い小説って本当に面白いなあとあらためて思った小説でし
た。


☆『異国トーキョー漂流記』 高野秀行 著

外国人が見たトーキョーを日本人である著者が紹介しています

2010年に出会った魅力的な書き手はこの高野さんだなあ、
私。
私ごのみのアタマの良さと文章の巧さです。
この本のトーキョー・ドームの話は泣けた。
2011年も注目しよっと。
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by lunaluni | 2011-01-11 23:11