2010年度版、アップしました。(2011年1月15日)


by lunaluni

cinnamon選・2009年度


*赤い指 東野圭吾*
 加賀恭一郎、練馬署最後の事件。父親、母親、父方の祖母と暮らす少年が幼い子を殺してしまいます。その普通であるはずの家庭のゆがみ、ひずみ。最近耳にする事件がとても身近であると感じる作品でした。
 殺人した子供を庇い続ける親。。。でも実は育て方を否定されたくない気持ちが潜んでいる。殺人した息子。。。こんな自分に育てた親が悪いと思っている。そこに祖母が関わってきますが、こういう悲惨な状況があちこちであるかと思うと、やるせない気持ちになります。
 ここでは、事件以外に、加賀恭一郎と父親の関係も明らかになってきますが、興味深いものがありました。

*新参者 東野圭吾*
 加賀恭一郎、日本橋署に異動して初の事件。
 ある商店街の、色んなお店(お家)でのエピソードが、小さな作品としていくつも収められていて1作1作が繋がって、ラストに事件解決へと向かいます。
 下町人情の残る日本橋は、練馬署時代の人間関係とはまた違ったつながりがあります。
 「赤い指」や、加賀シリーズではありませんが「さまよう刃」などを好む人には物足りなさを感じるかも。
 でも、このすっきり感も、新しい加賀の世界が作り上げられていて良いと思っています。

*聞き屋与平 江戸夜咄草 宇江佐真理
 「しゃばけ」シリーズ以外では、初のお江戸もの。
 薬種問屋のご隠居与平が、5と10のつく日に、店の裏に出て(易者のように)、通りすがりの人の話を聴くというお話。
 お代は気持ち次第。
 一家を支える若い娘、なにかしらの犯罪を犯しているであろう男、髪結いをしているけれど本業は擦りだという男。。。
 色々な人が抱えている思いを与平に打ち明け、少し荷を下ろして家路を辿ります。
 現代のカウンセラーとも違った、「聞き屋」。
 今あっても良いなぁと思いながら読みました。
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by lunaluni | 2010-01-01 03:55